伊藤 学而からのメッセージ
私は、平成16年3月をもって鹿児島大学を定年退官しました。昭和38年に東京医科歯科大学の歯学部を卒業して以来、大学院の4年間と助手としての
1年8ヶ月を母校で過ごした後、東北大学で10年、さらに鹿児島大学で26年間も歯学部の教官として勤務してきました。その間に恩師、諸先輩、友人、
職場の方がた、患者さん、業者の方々、地域の人々、若い先生たち、学生諸君、親族などから多くの支援や励ましを頂いたことに心から感謝をしております。
退官後は、これまでのご恩に報いるためにも、専門であった「矯正歯科」の分野に留まらず、「口とからだの健康」、「子育て」、「歯科の次世代の育成」
をキーワードにしてより広い活動を全国ネットで行いたいと考えました。キャッチフレーズは、「青空・中抜き研究会」、もしくは「あおぞら会議」です。
この魅力的なキャッチフレーズは、松尾学術振興財団の飯田益雄先生が「科学技術政策断想―その11」(スキエンティア、日本学会事務センター,
No. 36, December 2004)の中で書かれている「青空研究」と「中抜き研究所」という言葉から頂きました。飯田先生は、我が国の科学技術政策の枠組み
を論じた箇所で、“重点分野の研究に資金が投じられるにとどまるだけで”はいけなくて、“未来に向けて知恵と意思を自由に働かせる文化的営みである
「青空研究」の振興との組み合わせ”が重要であり、“独創性の高い研究を期待するならば、特定目的のためばかりでなく、知的資本の原資である
「青空研究」の基盤整備と投資拡充がこれに伴わなければならない”といわれる。そして、“一般的に、「青空研究」ほど論文になりにくく、その卓抜さ
が認められるまでに時間がかかる。時には非常識なこととして無視され、否定されたりする。しかし、常識はかわるのが常識であり、研究には失敗はつき
ものである。それらを恐れては科学は発展しない。…まさに失敗は成功の元であり、「青空研究」への投資に無駄金はない” といわれる。
また、若手に創造的発想が芽生える環境の提供を論じた箇所で、“変革の時においてこそ、若手研究者が、研究の世界的流れや今後の展望を把握し、
新しい発想で自ら光ることのできる独創的研究のテーマを設定し、究めていけるような体制と環境を整備すべきである。その一案として、学協会が
チャンネルになり、創造と交流の機能を果たすか、あるいは若手と研究能力の高い定年研究者とが自由で学際的な交流のできる新しいコミュニティ
(「中抜き研究所」のごとき組織)をつくることも考えられる。”…“そのためにも、高年齢層の研究者を対象にして「Golden Research Grant」を創設
することも検討すべきであろう。”と提案されている。
大学を定年退官する者にとって、まさに天啓のごとき素晴らしいメッセージを頂いたものです。このことを退官記念式典の挨拶で口にしたところ、直ちに
賛同してくださる方が現れました。その方達の発案で「青空中抜き研究会」が発足し、平成17年11月にはいよいよアジア太平洋の若い矯正歯科医を対象と
したジュニアとシニアの合宿セミナーを開催することになりました。なんと有難いことか、持つべきは朋友なり。
このホームページは、私の「あおぞら活動」を発信する個人的なホームページです。同じ思いを持って活動しておられる方々と緩やかな連携を組み、相互
にエネルギーを与え合うチャンネルの一つになることを願っています。皆様のご支援をお願いいたします。




